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モビリティ・マネジメント教育では、「交通」がキーワードとなります。なお、交通とは、人や乗り物が行き来することや、人や物資 が移動することを意味します。その観点から、学習指導要領を見てみると、さまざまな箇所で単元開発が可能であることに気付くと思います。特に、社会科・理科・家庭科といった教科学習、さらには、特別活動や総合的な学習の時間において、その可能性が高いと言えます。次の表1は、小学校社会科を事例に、その可能性を考えてみた結果です。「内容及び単元事例」の欄には、まず学年毎に学習指導要領に記載された「内容」を記し、ついでその後ろに構想可能な「単元事例」を示してみました。このように考えてみると、発想次第で、多くの単元において(赤字部分)、モビリティ・マネジメント教育は実践可能であることがわかると思います。
学年 | 内容及び単元事例 |
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第3学年 第4学年 (地域学習) |
(1)身近な地域の様子:身近な地域の交通の様子、バス路線と地域と地域のつながり (2)生産や販売:商品の仕入・生産物の出荷と交通の役割、働く人の通勤圏と移動手段 (3)飲料水・電気・ガス・廃棄物処理 (4)災害や事故の防止:災害による交通への影響、交通事故危険箇所と道路整備の問題点 (5)人々の生活の変化と地域の先人の働き:昔から残るみち、生活の変化と交通の発展 (6)県(都・道・府)の様子:交通網の整備と県(都・道・府)の発展 |
第5学年 (国土・産業学習) |
(1)国土の自然などの様子 (2)我が国の農業や水産業:生産地と消費地を結ぶ運輸・交通の役割 (3)我が国の工業生産:環境に配慮した自動車の生産、 (4)我が国の情報産業や情報化した社会 |
第6学年 (歴史・政治学習) |
(1)我が国の歴史 (2)我が国の政治の働き:環境に配慮した交通まちづくり |
ここでは小学校社会科しか示せていません。しかし、中学校社会科でもモビリティ・マネジメント教育は実践可能です。そして、他教科・領域でも、教育内容の特徴を細かく検討すれば、さまざまな箇所で実践可能であることを発見できるはずです。特に、総合的な学習の時間は比較的自由に単元を開発できるため、地域の特色を生かしたモビリティ・マネジメント教育実践には適しているでしょう。
また、モビリティ・マネジメント教育を実践する場合には、地方公共団体や交通事業体(鉄道やバス会社など)との連携が必要不可欠です。できれば、関連団体・組織と事前に連絡を取り、相談しながら単元開発を進めることが重要です。今日では、さまざまな関連団体・組織が積極的に出前授業を実施するようになりました。それらを活用することも、授業を成功へと導くためには有効です。
